女王マメーリア(ロアルド・ダール)

「ヒッチハイカー」
作家の私は小汚い指細工師を乗せてスピード違反切符を切られる。
手帳にメモしても頭にメモをしない警官は手帳を二つともなくしてしまう。


「アンブレラ・マン」
雨。歩き疲れた財布を忘れた老人が、20ポンド以上の傘の代わりにタクシー代1ポンドをほしいという。
彼は1ポンドを酒場で使い、他人の傘を盗んで同じことを繰り返す。


「ボティボル氏」
レコードの前で指揮者を演ずる楽しみを見出したボティボル氏。
不美人を趣味に誘う。この女は音楽の教師であり、楽しんでくれた。


「"復讐するは我にあり"会社」
辛口コラムニストに批判された金持ちを相手に、殴ったり青あざをつける復讐代行事業を立ち上げる。
勇気のないカモから2000ドルをせしめて金持ちの生活を夢想する。
そしていつかコラムに載り、カモの立場になるのだ。


「執事」
金だけを持ったクリーヴァー氏は執事と料理人を雇いパーティーを開く。金にものを言わせてワインを振る舞うが、氏を含め誰一人として安物のワインを飲まされても分かっていない。「一級のワインというものは」「敬意をもってしかるべく取り扱われなければなりません。」「あなたたちは皿をあらったあとのよごれ水でも飲んでいればいいんです。料理人といただいた本物はすばらしいワインでした」執事と料理人は屋敷をあとにする。


「古本屋」
主人が死んだ金持ちに、「六十を過ぎていかに若い娘を喜ばせるか」「三人のいけない尼僧」など他言相談できない本を注文していたので代金を払えという詐欺をしていた古本屋に、二人の親子が現れる。亡き父・亡き夫は盲目であった。


「外科医」
王子を助けた外科医はダイヤをもらう。冷蔵庫の氷のなかに隠すが、旅行後帰ってみると家は荒らされていた。後に病院で胃の中からダイヤを取り出されたジョン・ディグズという患者が出てくる。


「王女と密猟者」
王女を助けた不男は褒美に誰を犯してもいいという権利をもらう。だが手に入った途端、誰にも欲望を感じなくなった。王女はそんな言い寄ってこないヘンギストに魅力を感じ愛を口にする。


「王女マメーリア」
目覚めると美女になっていたマメーリアは、唯一魅力で言いなりにならない父国王を疎ましく思う。父扮する乞食の助言にしたがい、誕生日に牡蠣で毒殺しようとするが、皿を入れ替えられ毒の牡蠣を食べたのはマメーリアであった。


ロアルド・ダール著作一覧